君のブレスが切れるまで
「がふっ! っうぐぅ……! げほっ、げほ!」
嗚咽で息が吸えない、殴られたのはお腹のようだ。
肌が露出するところに痣があると虐待を疑われる。けれど、暴力を振るう人がそれで止まるわけはない。そこで叔父が思いついたのは、痣の気づかれにくい体を殴ることだった。手を振りかぶり、恐怖心に捕らわれた私に顔を覆わせる。そうすれば、顔は殴れずとも防御の薄い場所を殴打できる。
知ってるのに、何度もやられたからわかってるのに。体に来るとわかってても反射的に顔を覆い隠してしまうのは、一度でも顔を殴られたことのある人ならわかる。脳が……脳が揺れるのだ。瞳に映る景色が、世界が、まるで反転するように揺れる。
私はあの感覚がとても嫌だった。
「はぁ……ぁぅ……う……ひっ……ゆ、許して……」
「あぁ? 何が許してだ! オラァ!」
「――っいぃぃぎぃいいぃっ⁉ あがっあぁぁぅっっ! っうぅぅ!」
怒号と床を踏み抜くような音に続いて、つま先に激痛が走る。
骨がすり潰されるような痛み、声にならない絶叫が私の喉から上がる。足の指は特に折れやすい上、痛みの恐ろしく敏感だ。我慢なんてできる場所じゃない。
私は痛みでガクガクと膝を折り、へたり込むとあることを思い出し、すぐに両手で口を塞いだ。
急激に体温が冷えていく感覚、冷や汗が止まらない。
叫んじゃった――
嗚咽で息が吸えない、殴られたのはお腹のようだ。
肌が露出するところに痣があると虐待を疑われる。けれど、暴力を振るう人がそれで止まるわけはない。そこで叔父が思いついたのは、痣の気づかれにくい体を殴ることだった。手を振りかぶり、恐怖心に捕らわれた私に顔を覆わせる。そうすれば、顔は殴れずとも防御の薄い場所を殴打できる。
知ってるのに、何度もやられたからわかってるのに。体に来るとわかってても反射的に顔を覆い隠してしまうのは、一度でも顔を殴られたことのある人ならわかる。脳が……脳が揺れるのだ。瞳に映る景色が、世界が、まるで反転するように揺れる。
私はあの感覚がとても嫌だった。
「はぁ……ぁぅ……う……ひっ……ゆ、許して……」
「あぁ? 何が許してだ! オラァ!」
「――っいぃぃぎぃいいぃっ⁉ あがっあぁぁぅっっ! っうぅぅ!」
怒号と床を踏み抜くような音に続いて、つま先に激痛が走る。
骨がすり潰されるような痛み、声にならない絶叫が私の喉から上がる。足の指は特に折れやすい上、痛みの恐ろしく敏感だ。我慢なんてできる場所じゃない。
私は痛みでガクガクと膝を折り、へたり込むとあることを思い出し、すぐに両手で口を塞いだ。
急激に体温が冷えていく感覚、冷や汗が止まらない。
叫んじゃった――