君のブレスが切れるまで
 それなりの時間が経って、ようやく体を起こすことができた。
 痛む体に鞭を打ち、引きずりながらも割れたビール瓶を片付ける。叔父が帰ってきた時までに片付けていないと、また殴られるからだ。
 最初に飛んできたグラスは割れていない、床が畳だったことに感謝する。


「よかった……。…………ぐすっ……何が? 何がよかったの? 全然、よくなんてないよ……こんなに痛いのに……」


 ああ……どうして、私はこんな目に合っているんだろう。


 私の貯金箱には、もうほとんどお金は残されていない。あの女生徒達に何度も金を持ってこいと脅されたからだ。手持ちのお金じゃ定期代には満たない。それどころか、次にお金を持ってこいと言われたらどうしようもない。


 どうやって稼げばいいだろう。十六歳でも雇ってくれるところはあるのかな。
 私は割れたガラス片を捨てると踏まれた方の足を引きずりながら、この部屋の奥、自分の部屋へと戻る。


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