君のブレスが切れるまで
「どうしよう……」


 私は女生徒達の話を思い出す。今日、私にやらせようと帰りながら笑って話していた。
 そう、援助交際。
 あの女学生達が言うことならば、もしかしたら短期間でお金を稼げるかもしれない。これに頼ってしまうのは、あれだけど……四の五の言っている場合じゃない。
 すぐにスマホで検索をかける。そして、それは出てきた。
 私はその内容に、嫌悪感を抱く。


「…………性行為をする場合もある」


 相場の値段は高校生にしてはかなりの金額。でも、これだけあれば定期代はもちろん、それ以上のお金が手に入る。
 だが、その代わり失うのは自分の処女。あの人達はこんな恐ろしい事を私にやらせようとしていたのか。
 恐怖で体が震え、なにも食べてないのに胃から何かが上がってきそうになる。
 でも、今はそうじゃない。性行為をしない選択肢だってある。それに今の私の身体は痣だらけで、とてもじゃないが見せられる物ではない。


「は……? 見せられるものじゃないって……なにを考えてるの……」


 違う、違う! とその考えを拭い去るように首を振った。自分に嫌悪感を抱かないように、精一杯自分を守るようにかぶりを振る。


 今はこれに賭けるしかない。とにかく行動だ、投稿しよう。


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