君のブレスが切れるまで
 §


 次の日の早朝、私の体はすごくだるく、布団で寝たきりになっていた。


「ゴホ……ゴホ……」
「38・7度……昨日の疲れと濡れた影響ね……」
「そんなに……」


 体温計を見ていた彼女がそう言ってくれる。だけど、その言葉で私の体はさらにだるくなった。自分の体の状態がわかると、辛くなるって本当なんだね。特に熱はそうかも……。


「今日は休むわ。赤坂さんを一人にしておけないし……」
「別にいい、それと――」


 奏でいいよ、と続けることはできなかった。
 友達でもないのに、私は何を考えているんだろう。だけど、彼女の次の言葉に私は耳を疑った。


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