政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
『複雑な想い 零士SIDE』
ここ最近、凛々子の様子がおかしい。
塩と砂糖を間違えて味つけを失敗したり、ご飯を炊き忘れたり。頼んでおいたことをすっかり忘れ、アイロン中に考え事をしていたのか、ワイシャツを焦がすこともあった。明らかにいつもと違う。
母さんには家政婦を雇うべきだと助言されたが、凛々子とふたりっきりの新婚生活を楽しみたくて断った。
凛々子もいらないと言っていたし、俺もできるだけ凛々子の負担にならないよう、早く帰れた日は洗い物を手伝い、風呂掃除やゴミ出しなど協力してきた。
だけどもしかしたら家事が、凛々子の大きな負担になっているのかもしれない。
そう思って夕食時に、凛々子に家政婦を雇ってみようかと提案したものの、彼女からの返答はない。
どこか上の空で俺の声は耳に届いていないといった様子。
「凛々子。……凛々子?」
彼女の名前を何度か呼ぶとやっとこちらを見た。
「あ、ごめん。なに?」
塩と砂糖を間違えて味つけを失敗したり、ご飯を炊き忘れたり。頼んでおいたことをすっかり忘れ、アイロン中に考え事をしていたのか、ワイシャツを焦がすこともあった。明らかにいつもと違う。
母さんには家政婦を雇うべきだと助言されたが、凛々子とふたりっきりの新婚生活を楽しみたくて断った。
凛々子もいらないと言っていたし、俺もできるだけ凛々子の負担にならないよう、早く帰れた日は洗い物を手伝い、風呂掃除やゴミ出しなど協力してきた。
だけどもしかしたら家事が、凛々子の大きな負担になっているのかもしれない。
そう思って夕食時に、凛々子に家政婦を雇ってみようかと提案したものの、彼女からの返答はない。
どこか上の空で俺の声は耳に届いていないといった様子。
「凛々子。……凛々子?」
彼女の名前を何度か呼ぶとやっとこちらを見た。
「あ、ごめん。なに?」