政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 もちろんみんな一回きりで付き合いも短かった。他の女性は俺に遊ばれただけだと割り切り、去っていく一方で綾子だけは違った。

 一度きりの関係を本気だと思い、凛々子と結婚したあとも「本当に好きなのは、私でしょ?」と、度々会社にまで押しかけられていた。

 冷たく突き放すものの、相手は融資先の銀行の娘。しかも後継者の最有力候補。

 完全に突き放すことができずにいた。

 それがこの前のような事態を引き起こしてしまった。凛々子に嫌な思いをさせたよな。

 綾子が凛々子を敵対視していたことを知っていたから、社交の場ではできるだけそばを離れず、凛々子に危害が及ばないようにしていたというのに。

 会社の目立つところで待ち伏せされては、強気に出ることもできなかった。

 せっかく凛々子との距離が縮まっている気がしていたのに、一気に遠ざかった気分だ。

 俺と結婚した以上、凛々子は俺の妻として今後はよりいっそう面倒な社交の場に同伴してもらう必要がある。
< 150 / 225 >

この作品をシェア

pagetop