政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 私もずっと零士君のそばにいたい。そのためにも、零士君にはありのままの自分の姿を見せ、自分の気持ちを正直に伝え続けていこう。

 返事をすると零士君は再び私の唇を塞ぐ。触れるだけのキスは、次第に深さを増す。

 どちらからともなく息は上がり、苦しくなる。

「んっ……零士君」

 キスの合間に彼の名前を呼べば、やっとキスを止めてくれた。

 呼吸を整えている間にも、零士君は頬や首筋にキスを落としていく。そして彼は私の耳元に顔を寄せて囁いた。

「凛々子、一緒にお風呂に入ろうか」

「えっ?」

 一瞬フリーズしてしまうも、我に返る。

 一緒にお風呂って、私と零士君が同時にお風呂に入るってことだよね?

「無理だよ、一緒にお風呂に入るなんて」

 想像しただけで恥ずかしい。

「どうして? 俺、凛々子の身体ならもう隅々まで見ちゃったけど」

 からかい口調で言う零士君は、とても意地悪な顔をしている。
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