政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「ありがとう。私も千鶴ちゃんのこと大好き」

 お互い好きと伝え合っては笑い合う。

 千鶴ちゃんに抱きつかれたままリビングに移動して、ふたりで仲良くお茶の準備をしていく。

「お兄ちゃんがひとりで暮らしていた頃は珈琲しかなかったことが、今は信じられないね。調理家電はもちろん、調味料もたくさんあるし」

「調味料は集め始めたら止まらなくなっちゃって」

 チーズケーキを切り分けている間に、千鶴ちゃんが珈琲を淹れてくれた。

「んー、おいしい! 凛々子ちゃん天才だよ。お店で出せる味!」

「大袈裟だよ。でもありがとう」

 おいしそうにパクパク食べる千鶴ちゃんの姿を見ると嬉しくなる。

「でも本当にホッとしたよー。凛々子ちゃんとお兄ちゃんが本物の夫婦になってくれて。最初に綾子が家に押しかけてきたってところから説明された時は、不安になっちゃったけど」

 千鶴ちゃんには、零士君と想いが通じ合った次の日にさっそく報告した。
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