政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「お兄ちゃんってば、独占欲強すぎ。絶対わざとだよ、それを付けたの」

 これに対してはなんて答えたらいいのやら。ただ、笑うことしかできない。

 でも見つかったのが千鶴ちゃんでよかった。たまに髪をまとめて買い物に行く時もあるし、零士君にちゃんと言わないと。

 それから千鶴ちゃんにも手伝ってもらい、次々と料理を完成させていく。

 しっかりした味を付けて焼いたローストビーフに、冷製パスタ。それと零士君が好きだと言ってくれたポテトサラダにトマトのスープ。

 零士君から会社を出る時に連絡があり、帰ってくる時間に合わせて料理を皿に盛り付ける。

「うわぁ、全部おいしそう。本当に凛々子ちゃんってば天才」

「ううん、まだまだだよ」

 褒められて嬉しいけど、料理の腕はまだまだだ。

「凛々子ちゃん、料理が好きなんだね。さっきも楽しそうに作っていたもの」

「そうだね、作るのは好きかな。自分の作った料理をおいしそうに食べてくれると、作り甲斐があるし。もっと学びたいとも思ってる」

 そう漏らすと、千鶴ちゃんはある提案をした。
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