政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
サラサラの長い髪を手で掬い、気持ちよさそうに眠る彼女の頬に触れる。それでも凛々子は規則正しい寝息を立てて、目を覚ましそうにない。
時刻は夜中の二時を回ったところ。休日出勤をして、会社から水族館まで全力疾走して身体は疲れているはずなのに、目が冴えている。
「今夜は眠れそうにないな」
何度こうして彼女のぬくもりに触れたいと願っただろうか。夢が現実になったんだ。眠れなくて当然だ。
それに幸せを噛みしめている場合じゃない。これからが勝負だ。身体だけじゃなくて、凛々子の心も手に入れたい。
「早く俺を好きになって、凛々子」
そっとこめかみにキスを落とすと、凛々子は眉間に皺を刻んだ。渋い顔をしてむにゃむにゃとなにか言うと、また気持ちよさそうに眠る。
そんな姿を見たら笑ってしまった。
「凛々子を好きになって、十五年以上経つのか」
頬杖を突いて凛々子の寝顔を眺めながら、思い出すのは初めて会った日のこと。
時刻は夜中の二時を回ったところ。休日出勤をして、会社から水族館まで全力疾走して身体は疲れているはずなのに、目が冴えている。
「今夜は眠れそうにないな」
何度こうして彼女のぬくもりに触れたいと願っただろうか。夢が現実になったんだ。眠れなくて当然だ。
それに幸せを噛みしめている場合じゃない。これからが勝負だ。身体だけじゃなくて、凛々子の心も手に入れたい。
「早く俺を好きになって、凛々子」
そっとこめかみにキスを落とすと、凛々子は眉間に皺を刻んだ。渋い顔をしてむにゃむにゃとなにか言うと、また気持ちよさそうに眠る。
そんな姿を見たら笑ってしまった。
「凛々子を好きになって、十五年以上経つのか」
頬杖を突いて凛々子の寝顔を眺めながら、思い出すのは初めて会った日のこと。