政略結婚から始まる蜜愛夫婦～俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない～
　そのくせ好きって気持ちは大きくなるばかりで、変な独占欲は増していき、凛々子が他の男と話しているところを見ると面白くなくて、さらに凛々子に冷たく当たったりもした。

　そんな時だった、両親から凛々子との婚約の話を聞かされたのは。

　素直に嬉しかった。凛々子との将来が約束されたのだから。それに俺という婚約者がいれば、凛々子に近づく男を牽制できる。
　しかし、喜んでいたのは俺だけだった。

　それ以降凛々子は、俺によそよそしい態度をとるようになった。

　親に決められたから仕方がなく俺との婚約を受け入れたように見えて、胸が痛んだ。

　そんな凛々子に俺もまたどう接したらいいのかわからなくなり、必要以上に話しをすることがなくなり、目さえも合わせられなくなる。

　何度か諦めようと思った。好きでいても、嫌われているのでは報われない恋。婚約したからといって、結婚したわけではない。

　きっとお互いに結婚の意志がなければ、両親も俺たちに無理強いはしないはず。
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