政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「ほら、早く」

 頬や瞼、鼻や頬へと次々にキスが落とされる。

 そのたびに胸がときめく。そして恥ずかしいという心とは裏腹に、身体は彼を求めていく。

「言ってよ、凛々子」

 彼を求める気持ちが限界に達すると、羞恥心などどうでもよくなり、素直な気持ちが口をついて出た。

「止めないで。もっとして欲しい」

 気持ちは昂り、自ら彼に口づけをした。

 次の瞬間、零士君は私を抱き上げて部屋へと急ぐ。そしてベッドに私を下ろすと、すぐに零士君が覆い被さってきた。

「煽ったのは凛々子だからな。もう止められない」

 再び唇を塞ぐと、彼は私の首に顔を埋めた。

 舌の感触に身体が反応してしまう。

「凛々子」

 余裕ない様子で私のドレスを脱がせ、零士君も纏っている服を脱ぎ捨てた。

 この前は零士君の身体を見ている余裕もなかったから、こうしてまじまじと眺めるのは初めてだ。

 とても引き締まっていて、男の人なんだって実感させられる。

 ギシッと音を立てて抱きしめられると、肌と肌が触れて心地よい。

 私の感じるところを探るように触れる手と優しい愛撫に、声が止まらなくなる。
< 82 / 225 >

この作品をシェア

pagetop