涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
そう言い放った夏華さんの顔は、本当にニコニコしていて綺麗だった…。
初めて人に、喜んでもらえたような気がして、何だかアタシまで嬉しい気持ちになる。
シャンパンコールが始まる頃、リョウマ君は戻ってきた。
「シャンパン…入れてくれたの?」
「夏華さんが。」
「そっか。ありがとう。」
爽やかな笑顔に、胸がドキッと弾むのが分かった。
店のホスト全員で乾杯するので、シャンパンはすぐに無くなる。
それと同時に、リョウマ君もアタシに
「ごめんね…」
と言って、この席を離れる。
本当に申し訳なさそうな顔をして……
それも、リョウマ君のテクだろうなって、気付いていたのに。
アタシは夏華さんが指名しているホスト、【蓮くん】にシャンパンを頼んだ。