涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
「遊姫ちゃん?何だか今日、ボーッとしてない?酔っ払った?大丈夫?」
「……あっ、すいません…。大丈夫です。」
そうやってアタシを気遣って優しく話し掛けてきてくれるのは、アタシの太客のうちの1人。
この人が居なかったら、今のアタシの地位はないだろう。
いつもいつも、アタシを心配してくれて。
いつもいつも、アタシを優先してくれる。
呼んだら必ず来てくれるし、頼めば高価なボトルだって入れてくれる。
本当に優しい人。
だけど……
やっぱり客は客でしかない。
ただの……
優しいおじさんに過ぎないのだ。
彼に、ボーッとしていると言われた理由はただ1つ。
リョウマ君についているヘルプが気になって仕方がなかったから。