涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
何を根拠に、良い男、と決めるのだろうか。
たかがホスト。
しょせんホスト。
そう思って生きてきたアタシには理解出来ない事だった。
タクシーで、その店まで向かう。
しかし……お客さんも嬉しそうな顔をして。
これからあなたは、ただの飾りモノになるというのに。
悲しいね。
タクシーで行く程の距離じゃないのに、タクシーで向かうのも……お客さんの見栄なのだろうか。
相変わらず胡散臭い、店構え。
「「いらっしゃいませーい!」」
勢いだけはある、挨拶。
キャバクラなんかよりも内装はスゴく立派だけど。
これも、何もかも……
作り物でしかないよね。