涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
携帯を見たりはしない。
傷つくのが目に見えているから。
ましてや、アタシたちの間に、何も存在しない。
「付き合おう」だとか、「彼氏・彼女」という言葉なんか一切出てこない。
それが、不安要素なのだ。
だけど…お互いに嫌いではないんだと思う。
だから、抱かれるし、抱くのだ。
そう思っていた。
そんなある日、アタシは仕事のあとに、どうしても外せない用事があった。
地元から、友達が出てきており、会う約束をしていたのだ。
地元…懐かしい響き。
また、何だか少し…恥ずかしい響きで。
今日は、リョウマくんの誘いを受け入れずに、店には行かなかった。
「ゆうちゃーん!久しぶりっ!」
少しだけ垢抜けた、かつての友達。