涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
そう言われて、嬉しくないはずがない。
でも、アタシは言葉を発することが出来なかった。
「何かホストって言われたら淋しくなるよ。」
「アタシだってしょせん…キャバ嬢だよ。」
「俺はそんなふうに…見たことないよ。」
「そっか…」
引き止めるリョウマくんの手を振り払い、アタシは店を後にした。
あれ以上、優しい言葉をかけられたら、後戻りができなくなりそうで怖かったから。
家に帰り、シャワーを浴びてスッキリする。
ベッドに横になりウトウトとしていると、インターホンが鳴った。
こんな時間に訪ねてくる人なんか1人しかいない。
「どうしたの。」
「……寝かせて。」
酒に酔い、いつもと違う雰囲気のリョウマくんが、そこにいた。