涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
ある日、DVDを見ながらココアを飲んでいると、彼がポツリと言った。
「マグカップ…お揃いじゃないよね。」
「ん?」
「ほら、普通だったら色違いとかなんじゃないの?」
ラブストーリーを見ていて。
テレビ画面に映し出された、色違いのマグカップを指差して。
画面の中には、幸せそうに笑い合う、ストーリーの中での白人さんたち。
「そうかもね。」
「いいなぁ〜。憧れる。」
明日、買いに行こうと思った。
例え、見ていたDVDに影響されて言った言葉でもいい。
彼の可愛い憧れを、現実のものにしてあげたいと思ったから。
次の日、アタシは早めに起きて準備をし、まだ寝ている彼にキスをして家を出た。
久しぶりに化粧をした。
気が付けば、とても寒い季節になっていた。