涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
「誰の子か分かんないんだ。」
「え?」
その言葉を聞いて、なぜ夏華さんがアタシにこの話をしてきたのか、だいたい予想ができてしまった。
疑惑が確信に変わる。
「リョウマくんの子かもしれないってことですか?」
アタシは冷静に、彼女に問い掛けた。
彼女は、目を見開き、驚いた顔をしている。
なかなか答えない夏華さんにイラついて、アタシは意地悪な問い掛けをしてみる。
「もしくは…客との子ですか?」
「……うん。分からないの。」
「泣かないでくださいよ。」
どちらかと言えば…
泣きたいのはこっちだから。
あんなに優しかった夏華さんに裏切られて。
勘づいてはいたけど…
それが確信に変わったばかりだというのに。