涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
不思議と、涙は出なかった。
もしかしたら、目の前で泣いている彼女の方が可哀想なんじゃないかと思ったからかもしれない。
「リョウマくんとは、いつから付き合ってたんですか?」
「一番最初に付き合ったのは高校1年の時…」
負けた!
一瞬にして、悟ってしまったよ。
そんなにも長く、時間を共有した相手に、たった何ヵ月しか一緒にいない女が、勝てるハズがない。
「そうですか。っで?」
「え?」
「もう、行っても良いですか?」
「あの…待って…。」
早く言えよ。
内心そう思った。
分かってる。
分かってるよ。
アタシが選ぶべき道は…1つしかないじゃん。