涙 〜キャバ嬢×ホスト〜【完結】
「客とも、夏華さんは寝ていたってことですか?」
さっきの話を聞いていたら分かるのに。
最後に、せめてもの悪あがきをさせてほしい。
「そう…。アタシ最低だよね。」
もう、話し合っていても埒があかないので。
「分かりました。
これから頑張ってくださいね。もう、彼には会いません。」
「でも…」
「人の男だったなんて確信したら一気に冷めました。」
「………。」
「さよなら。」
強がりだった。
彼と過ごした時間は、不安もあったけど、本当に穏やかで。
幸せだったから。
そんなにすぐに…冷めるはずもない。
嫌いになれるはずもない。
でも。
もう、会ってはいけないと思うから…。