溺愛予告~御曹司の告白躱します~

水瀬ほど色んなものが揃った男ならもっと可愛くて美人な、それこそどこの社長令嬢だってよりどりみどりだろうに。

何を思ってただ同期として入社しただけのすっとぼけた女を選ぶんだろう。

「理由が必要?」
「まぁ…出来れば?」
「……好きだって言外にずっと伝えてて、それを躱されたから好きだって告白して、付き合ってって言ったら理由聞かれるとか…。どんな羞恥プレイだ」

ため息を吐きながらそう言われると、なんだかとんでもなく恥ずかしいことを聞いた気がする。
それでも聞いてみたかった。

この部屋についてきた以上、色んなことに決着をつけなきゃいけないことくらい分かってる。

いつまでも『恋愛に向いてない』『嫉妬するのが辛いからヤダ』なんて逃げてるばかりじゃダメなところまで来てしまったのは自覚している。

私だって、いつからかわからないけど、水瀬をただの同期でなくひとりの男性として意識していた。

いつの間にか好きになってた。

倒れた時に病院でずっと頭を撫でてくれたあの優しい手。

帰り道を心配してくれるぶっきらぼうな声。

居酒屋で繰り返されるくだらないやり取り。

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