溺愛予告~御曹司の告白躱します~
「…っん、んん」
あっさりと入り込んできた舌が絡み、思考回路を溶かされていく…。
「もういいから、俺のことだけ考えてろ」
「…っは、ぁ……」
首筋の薄い皮膚に吸い付かれ、湿度の高い吐息が漏れる。
それを了承と受け取ったらしい水瀬の手が、私の身体を余す所なく触れていく。
「脱がしていい?」
聞いてきたくせに私の返事を待たずに一枚ずつ布を剥いでいく。
夏ではないもののシャワーも浴びずに事に至るのは若干抵抗がある。
水瀬と初めて肌を合わせるのならなおさら。
それでも目の前の私を見下ろす男の余裕のなさそうな顔を見たら、そんなことどうでもよくなってしまい、自分の腕を彼の首に巻き付けた。
背中が浮いた隙に下着のホックも外され、露わになった胸に顔を寄せてくる。
「んん、ぁ、水瀬…」
「名前。名前で呼んで」
「……れん」
「うん。莉子」
胸元に舌を這わせながら上目遣いで嬉しそうに笑う水瀬、もとい蓮と目が合った。
今さら名前で呼んだり呼ばれたりすること以上に、蓮の口元から覗く真っ赤な舌がこれから何処を這い回るのかと思うと、恥ずかしくて爆発しそうだった。
顔を逸らせてぎゅっと目を閉じたのを咎めずに、そのまま私を愛することに没頭しだした蓮。
彼の宣言通り、その夜は蓮のことしか考えられなかったし、蓮の名前以外を口にすることは出来なかった。