溺愛予告~御曹司の告白躱します~

目を覚ますと、見慣れない天井と自分のものではないシーツの色と肌触り。
ここがどこだかわからずに一瞬怯む。

カーテンの開けられた窓から差し込む光。抜けるような秋晴れの空が眩しい。
朝がきたのだとぼんやりとした頭で理解し、それと当時に昨夜のことも頭の中にまざまざと蘇る。

名前を呼ばれながら全身にキスを受けたこと。

私を見つめる甘すぎる視線。

耳が蕩けそうになるほど繰り返し『可愛い』と鼓膜を震わせる甘く響く声。

その壮絶な甘さとは正反対に容赦なく与えられる快感の激しさに、何度も『もう無理…』だと涙声で訴えたこと。

それでも許されず『散々焦らされたから、そんなすぐ終わらせてやれない』と恐ろしい宣言をされた。

縫い付けられた手で必死にシーツを掴み、全身が溶けてなくなってしまうのではないかと思う程何度も高みに上らされ、半分気絶するように眠りに落ちたんだ…。


朝からなんて破廉恥なことを思い出しているのかとごろごろ転がって身悶える。

そして少しだけ冷静になると頭を起こし、部屋をぐるりと見回した。

昨日は電気も付けず、明かりといえば廊下の奥のリビングから微かに漏れてくる照明だけで、室内の様子なんか目に付かなかった。

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