溺愛予告~御曹司の告白躱します~
というか、私の昨日着てた服は?!
ベッドの周りを見てもそれらしきものは見当たらない。
もぞもぞしている私の心の声を読んだように、蓮が立ち上がって寝室の扉に歩きながら話してくれる。
「莉子の服はそれ持ってきてくれたコンシェルジュにランドリーサービスに出してもらった。今日の夕方には持ってきてくれる。風呂は出て斜め左前のドア。タオル出しとくから好きに使って」
「恥ずかしがってんのも可愛いけど、その格好でうろうろされたら襲わない自信ねーわ」とのたまいながら寝室を出ていった蓮に「…ありがと」と最後の一言はスルーして聞こえたかわからない程小さな声でお礼を言うと、大きすぎるベッドから下りてバスルームへ向かった。
気怠い身体にムチを打ち、こちらも大きすぎる浴室でメイクを落としてシャワーを浴びた。
コンシェルジュさんが買ってきてくれた下着と、スエット地のパーカーワンピースにブラウンのリブパンツを有り難く着させてもらい、小さな瓶の蓋を開け中身を一気に煽った。
スキンケアセットで肌を整えてから、出してあったドライヤーで髪を乾してリビングへ向かう。
「お風呂、ありがと」
ソファに座りスマホを見ていた蓮が私に振り向き、数秒見つめてから顔を顰めた。
「…莉子?」
……はい?
莉子ですけど。それ以外に誰が?