溺愛予告~御曹司の告白躱します~
改めて言葉にされると恥ずかしさに顔が赤くなるのが分かる。
メイクをしていない今、いつも以上に顕著にそれを晒していると思うともういっそ爆発してしまいたい。
「はは、かーわいい」
「バルス!」
「人んち滅ぼすな」
…溶ける。真夏に外で食べるソフトクリームばりに溶ける。
朝から甘すぎる。
確かに『嫉妬するのが嫌』だと言った私に対し、蓮は『しなくて済むように甘やかす』と言った。
『ベタベタに可愛がる』とも。
それは私を安心させるためだけに言った方便ではないと思ってはいたけれど…。
考えてた『ベタベタに可愛がる』の度合いが段違いだったかもしれない。
無愛想とは言わないけれど、特別愛想が良いわけではない蓮だから、付き合い出した途端こんなに甘やかしてくるなんて想定外過ぎて太刀打ち出来ない。
「準備して飯食いに行こう。腹減っただろ」
「…誰かさんのせいでね」
「お望みならまたベッド行くけど」
「40秒で支度してくる!」
リビングに置きっぱなしだった自分の大きな鞄からメイクポーチを取り出すと、逃げ出すように再びバスルームに駆け戻った。