溺愛予告~御曹司の告白躱します~

◇◇◇

「おはようございます、莉子先輩」

月曜日。
デスクで始業前のルーティンであるメールの確認と返信をしていると、爽くんに声を掛けられた。

「おはよう」

いつものココアを飲みながら挨拶を返すと、じっとこちらを見つめられる。

「…どうしたの?」
「なんかいつもと雰囲気違う」
「そ…そう?」
「……うまくいったんですね。蓮兄と」
「な…っん」

思わぬ発言にココアを吹きそうになったのを、なんとか気合いで飲み込んだ。

なんでそんなすぐにバレたんだろう。
いよいよ水瀬帝国の世界征服は近いのか…。

怪訝な目で見ていると、少し拗ねたような顔をした爽くんが自分の首筋をトントンと指で示す。

「やっぱ蓮兄えげつない。絶対俺への牽制じゃん…」

彼の仕草と発言でようやく事態を理解した私は、バッと両手で首筋を覆う。

まさか…まさか…。


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