溺愛予告~御曹司の告白躱します~
絶句している私に、蓮は不敵な笑みを見せる。
「もう逃げられないから」
「蓮…」
「あと、やっぱりそのメイクの方が可愛い」
わざと屈んで耳元へ囁かれ、瞬時に耳を庇いながら後ろにのけぞる。
シレっと職場でも『可愛い』と甘い言葉を吐く蓮を、信じられない気持ちで見つめた。
「ははっ、なんて顔してんだよ」
「じゃーな」と笑って軽く頭をぽんぽんと叩くと、そのまま颯爽と営業のフロアを去っていった。
【水曜、何食いたい?】
【いきなりすぎじゃない?】
【いずれ紹介するんだし別にいいだろ】
【ろくなこと喋れる気がしない】
【いつものことだ】
【『大丈夫、オレがついてる』的なとこじゃない?】
【言ってやってもいいけど照れて逃げるなよ?】
【余裕なのが腹立つ】
【つーかしりとり飽きたわ】
【私が始めたんじゃないし!】