溺愛予告~御曹司の告白躱します~
それなのに警戒心のない彼女と爽のやり取りに嫉妬して、酷い言葉を投げつけて泣かせてしまったのは今思い出しても最低な行いだった。
もう一刻の猶予もないと告白して、やっと手に入れた。
バカな元カレに浮気されたのがトラウマになっているのか、モテる彼氏はいらないと頑なになっていた莉子。
嫉妬して自分も相手も嫌な気持ちになるのが辛いと、告白に渋っていた莉子が話してくれた。
そんな心配いらないのに。
俺は初めて会ったときから莉子しか見てない。
当時彼女がいたことを思えば不誠実に聞こえる言い方だが、事実なんだから仕方ない。
莉子以外の女はいらない。
だけどそれをいくら口で伝えた所で、莉子の不安が全部なくなるわけではないだろう。
そこで俺は自分の両親に莉子を紹介しようと思い立った。
平凡な見た目や育ちの違いを気にしていた莉子。
あいつは自分がどれだけ可愛いのか分かっていないらしい。
会社で見ていた顔も、濃すぎない目元のメイクに季節ごとに変わるリップの色がいつも似合っていて可愛かった。
しかし初めて莉子を俺のものにした朝、シャワールームからすっぴんで出てきた莉子を見て驚いた。
つるんとした柔らかそうな肌にぽってりとした唇の印象は変わらなかったが、くりっとした目元は幼く、いつもバリバリ仕事をこなす莉子の印象とは違い妙に庇護欲をそそった。