溺愛予告~御曹司の告白躱します~
莉子もそれがわかったのか、『ありがとう、蓮』とはにかみながらも珍しく素直にとびきりの笑顔を向けてくれた。
メイクを変えてさらに可愛くなった莉子に我慢が利かず、そのままソファで押し倒してしまったのは、決して俺のせいではない。
そんなことをツラツラと考えながらデスクで残業をしていると、ふと書類ケースの上に置いていたスマホのバイブが着信を知らせた。
「……親父?」
珍しく父親からのメッセージ。
さらに意外なことに【水瀬聡志が写真を送信しました】とポップアップが出てくる。
「写真…って、はぁ?!」
ここが会社だということも忘れて声を張り上げた。
同じく残業でデスクに残っていた数人の社員が何事かと俺を見るがそんなことに構っていられない。
写真に映っていたのは我が社の社長、水瀬仁志。爽の父親であり、俺の伯父である。
伯父がマイク片手に気分良く歌っている写真。反対の手は女性の肩を抱いている。
普段なら、酔っ払って店の女性に絡んでるのかと一瞥して終わりの写真も、肩を抱かれ一緒になって楽しそうな顔で歌っているのが自分の彼女となると話は別だ。
「何してんだ、あいつは!」