溺愛予告~御曹司の告白躱します~
いつのまにか連絡先を交換していて、今や息子の俺を差し置いて莉子だけを食事に誘うという気に入りぶり。
母も一人息子で実家に寄り付かない俺よりも、一緒に買い物ができる莉子を娘のように可愛がっているらしく、先週は実家で一緒にお菓子作りをしていた。
莉子の年上キラーぶりを改めて実感し、タクシーに乗り運転手に店の場所を伝えてから大きくため息をついた。
今日は金曜日。
店に着いたら彼女を親父達から奪い返し、早々に家に連れ帰ろうと算段をつける。
【今から向かう】
【うん、お疲れ様】
【まじで、なにしてんの】
【飲んだり食べたり歌ったり?え、なんか怒ってます?】
【スケベ親父に肩抱かれてんじゃねぇ】
【ぇ、あなたの父上と伯父上ですけど】
【土曜、予定ないよな?】