溺愛予告~御曹司の告白躱します~

水瀬帝国の第二王子である蓮という同期がすでにいた私にとって、第一王子の爽くんは御曹司だろうと特別でもなんでもなかった。

だからこそ普通に接した私に興味を持ったんだろうけど、爽くんからの想いをお断りして蓮と付き合いだして3ヶ月。

とっくにキテレツな遊びを再開させているものだと思っていた。

「莉子先輩は全然蓮兄と別れる気配ないどころか、うちの親父達とまで馴染んでるし」
「あはは、確かにね」

蓮のお父さんである我が社の副社長だけでなく、爽くんのお父さんの社長もかなり気さくな方だ。

蓮に連れられご挨拶してすぐになぜか気に入られ、それぞれ会社の外では『聡志パパ』『仁志パパ』と呼ばせてもらっている。

今や蓮抜きでも飲みに行ったりカラオケに行ったりする仲なのだ。

「水瀬帝国の王族はみんなフレンドリーだよね」
「だからさ、俺そろそろ莉子先輩のこと諦めないとなーって。それで蓮兄とデートでもしてきたら?最近会えてないんでしょ?」

その言葉にドキッとする。爽くんの言うとおりだった。

ここ最近、私も少し関わったモデルタウンの案件が佳境を迎えていて、蓮はとても多忙だった。

私は私で、口説いていた大学の寮の建て替えをすべて請け負ったことで関係各所との連携に追われ、いつも以上に残業が続いている。

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