溺愛予告~御曹司の告白躱します~
出てくるものすべて美味しくて、いつもは居酒屋で向かい合って仕事の話をしている私たちだけど、今日は横並びで料理とお酒に没頭する。
匂いにそそられてたまたま入ったお店だけど、思いの外大当たりだった。
「これ美味しい」「こっちも美味いから食ってみろ」なんて会話をしながら料理とお酒を楽しむ。
そんな時間の過ごし方が好きで、その相手が気心知れた同期である水瀬だからこそ楽しめているのだという自覚はある。
だからこそ。
この関係を壊したくないと思うのは私のエゴなんだろうか。
この食事が終わったら、きっと何かの話が待っている。
私の『勘違いではない』という話…。
有り体に言うのなら…、告白じゃないといい。
水瀬の私に向ける視線の甘さに含まされている肌を焦がすような感情も、それを受けて目眩がするほど嬉しいと感じてしまっている私の胸の痛みも。
全部全部勘違いならいいのに…。