溺愛予告~御曹司の告白躱します~
「今俺が関わってるモデルタウンの案件、何の施設を入れるかで意見が割れてるんだ」
「あぁ、会議長引くって言ってたもんね」
「そこに生田化成と取引のあるアミューズメントパークを誘致しようと思う」
「…なるほど!」
水瀬が言っているのはこうだ。
今水瀬が所属する首都圏プロジェクト室が推し進めている都市再開発のモデルタウン。
マンションや病院、ホテルを建ててひとつの街を作る事業だ。
そこに誘致する施設で意見が纏まらず停滞しているところに、生田化成との取引があるアミューズメントパークを入れようというのだ。
今注目されているモデルタウンに入れるとなればアミューズメントパーク運営側も断らないだろうし、そこと契約している生田化成にも旨味は存分にある。
その対価として、生田化成の工場の移転を我が社が請け負うという筋書き。
お互いウィンウィンの関係というわけだ。
「いいと思う!めっちゃいいと思う!」
興奮して声が大きくなる私に嫌な顔ひとつしないで嬉しそうに笑ってくれる。
「うちの部署にも話通して合同のプロジェクトに出来るよう掛け合ってみる」
「水瀬…」