溺愛予告~御曹司の告白躱します~
「佐倉。これはお前の案件だ」
大きく頷いてみせる。
もちろんだ。
水瀬がくれたチャンスを、絶対に活かしてみせる。
「ありがとう、水瀬」
「あぁ」
「諦めたらそこで試合終了だもんね」
「まぁ、名言だよな」
「バスケがしたいです!」
「仕事してくれ」
私の様子に満足したように微笑んだ水瀬は、わしゃわしゃと頭を撫でると「じゃ、お互いの上司に報告だな」と会議室を出ていった。
くちゃくちゃになった髪を直しながら、赤くなっているであろう顔を抑えて、やっぱりパンダのお面が欲しいと切実に思った。