溺愛予告~御曹司の告白躱します~
一ヶ月ぶりの同期会。
いつもはだいたい三ヶ月に一度のペースで開催されるのだが、今回は寿退社することが決まった亜美のお祝いを兼ねている。
そのため出席率も高めだ。
入社四年目の二十六歳。
男性陣はともかく、女子社員はなんとなく結婚を意識し出すお年頃。
飲み会も一時間が経つ頃には、みんないい感じにお酒が入ってきて恋バナに花が咲く。
「結婚羨ましい」
「理沙は彼とそんな話出ないの?」
「出ない…」
理沙は一つ年上の彼と同棲して二年だという。
このままズルズルなんて展開は一番悲惨なことになると、本人も自覚があるらしい。
「テーブルに結婚情報誌置いといてみたら?」
「莉子…、あんたそれ一番やっちゃダメなやつだから!」
親切なアドバイスのつもりだったが怒られてしまった。
ここは黙っておくに限る。
隣に座った亜美が私にもサラダと唐揚げを取って寄越してくれたので、大人しくそれをつまみにレモンサワーを飲む。
「亜美も結婚かぁ。旦那さん、四つ年上の商社マンだっけ?」
「エリート捕まえたよねぇ」
「どこに惚れたの?」
「仕事辞めるの悩まなかった?」