溺愛予告~御曹司の告白躱します~
もうこの話題は勘弁して欲しい。
確かに爽くんは私が彼のマンションに行った日以来、事あるごとに本気だとアピールしてくる。
生田化成での出来事も、私のためを思ってしたはずだったけど逆に失礼な事だったかもしれないと謝ってくれたりもした。
もちろん失礼だなんて思わなかったし、私が不甲斐なかったためにしてくれたことだとわかっているから、謝罪は不要だと伝えたけど。
『でも蓮兄は…莉子先輩を一瞬で立ち直らせた』
拗ねたように呟いた爽くんは、王子ではなく年相応のオトコノコって感じが可笑しくてつい笑ってしまった。
それからというもの、プロジェクトでも私の補佐についてくれる爽くんは、本当に一日中ぴったり私にくっついている。
それこそ、打ち合わせで首都圏プロジェクト室を訪れたときには、水瀬が眉間に皺を寄せて不機嫌になるほどに…。
今ここに水瀬がいなくて本当によかった。
申し訳ないとは思いつつ、心の底からホッとした。
例のアミューズメントパークの運営会社であるドリームカンパニーとの話し合いが伸びているらしく【少し遅れる】というメッセージと、謝っているんだかバカにしているんだかわからないパンダのスタンプが届いていた。