溺愛予告~御曹司の告白躱します~

相変わらず水瀬はこのパンダを使い続けている。
私に似ていると宣ったこのパンダを…。

「ねぇ亜美、このスタンプさ」
「あはは!何このぶっさいくなパンダ!」
「…もういい」
「何よー。それ水瀬くんからなんでしょ?そのスタンプがどうかしたの?」


…言えるわけない。

水瀬がこのパンダと私が似てるから買ったらしいだなんて。

『ちんまりしててなんか可愛いし』と言われて顔から火が出るほど赤くなってしまっただなんて。

それを…嬉しいと感じてしまっているだなんて。


「合同プロジェクトといえばさぁ、それ佐倉と水瀬が主導だってマジ?」

いつものごとく神か仏のようなタイミングの良さで話に割って入ってくる橋本くんを拝みながら、私個人の話題から仕事の話に切り替える。

「主導って言うと大袈裟だけど。私が担当してた取引先を口説くのに、水瀬の部署を巻き込んでったら大きくなっちゃって」

あれから水瀬は有言実行で素早く動いてくれた。

それぞれの部署に現状と今後の展望を含めて報告して合同のプロジェクトチームを作らせ、長引いていた会議に終止符を打つようにアミューズメントパークの誘致を決めた。

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