溺愛予告~御曹司の告白躱します~
さらにこの一ヶ月でドリームカンパニーへ何度も出向き、モデルタウンへの娯楽施設出店を承諾させた。
今日は細かい契約についての部分の話を詰めているらしい。
私はというと、あれから生田化成に何度も足を運び、新しい担当さんを今回のプロジェクトの提案で口説き落とし、今や「おっちゃん」「莉子ちゃん」と呼び合う仲にまでなった。
やはり頭の固いオヤジはメロメロに口説き落としてなんぼだ。
メタボになれなんて呪いかけてごめんね、おっちゃん。長生きしてね。
「モデルタウンの方は私はわからないから完全に水瀬に任せっぱなしで、私は担当の事業用地に工場を建てるだけだから」
橋本くんは興味津々でプロジェクトの話を聞いてくれるから、私もそれに応えるように話す。
他の同期も気になっていたメンバーがいるようで、そのまま仕事の話で盛り上がろうとしていたところに、理沙の大きな声が響く。
「ちょっと!今日は亜美のお祝い!真隣で仕事の話はいいから」
それもそうだ。ついいつものノリで盛り上がろうとしてしまった。
隣に座る亜美に両手を合わせる。
「ごめんね、亜美」
「いいのよ。それが莉子だもん」
「えへ、面目ない」
「その代わり、なんか面白いネタちょうだいよ」
「へ?」
「逃さないわよ。王子達とどうなってんの?」