あの夢の続きをもう1度描けたら
しばらく風を感じると、また柔らかな光に包まれて無事に着地できた。
「……できた」
数秒の出来事が、まるで数分のように感じてしまった。
「大丈夫!?」
わたしは小さなドラゴンのところまで駆けつけた。
わたしの心配する様子を見た大きなドラゴンは攻撃の準備をやめ、わたしがさっきまでいた背面に振り向いた。
そしてわたしが小さなドラゴンの味方についたと判断したドラゴンはどよめく叫び声をあげた。
とんでもない爆音で思わず耳を両手で塞ぐ。
せめて小さなドラゴンだけは守らないと……!
母性本能が働いて、わたしは鳴き止んだのをいいことに小さなドラゴンを守るように大きなドラゴンの間に入る。
……この状況をどうやって切り抜けようか。
大きなドラゴンを落ち着かせるか倒すかの二択しか思いつかない。
しかしどちらとも困難だと気づいたわたしは顔を青ざめた。
「……詰んだ」
素手では到底歯向かえないから何か武器が必要なのに、わたし……なんも持ってないじゃん。