あの夢の続きをもう1度描けたら

そして主様の口調だったら私もよく知っているということでアイツの言葉を真似して、いち早く敬語を抜くことに成功した。

奴隷生活もここだけは役立ってくれたな。


言葉遣いは悪いけど敬語が取れたならとユラハとユキは笑ってくれた。


「アランはユラハのこと好きじゃないのか?」

「なっ……」


──ユラハと過ごすうちに恋情へと変わっていった。

怖くなった。自分がどんどん幸せを欲していることに。

ユラハにもっと求めてしまう自分がいた。


「……誤魔化しても、無駄か」


私はふたりと一緒にいられるだけで幸せだ。

奴隷から解放されてから、私は感情を知っていって欲望が生まれてしまった。


それがとても嬉しいし、怖い。

自分が主様のようになるんじゃないかって、私利私欲に溺れてしまうんじゃねーかって。


その欲深さがユキにバレてしまった。

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