あの夢の続きをもう1度描けたら
ユキとユラハには嫌われたくない。
ユラハとユキに見放されたら、私は今度こそ生きる意味を失ってしまう。
……奴隷の方が楽だったんじゃねえのかな、なんて。ふたりに怒られるから言わねえけど。
「嫌いにならねえか?」
「なんでだよ。アランが恋して嬉しいぞ? ユラハとアランが幸せになってくれたらいいなって思ってる」
嫌になっていないみたいで、心の底から安心した。
私は長い間、奴隷として主様のそばにいた。
主従関係を除いたら家族みたいなものだった。最悪な家族だったけども。
家族は似てくるっていうし、私も主様みたいになる可能性がある。
「もし……私が最低な人になったら、殴ってくれ」
「アランは最低な奴じゃねーし、ユラハがそうさせねーよ。俺だって阻止してやる」
「わかんねえよ? 極悪人になるかもしんねえよ?」
「そしたら俺達も極悪人になってやるよ」
だからさ、とユキは笑う。
「今まで味わえなかった幸せをとことん味わいなよ」