あの夢の続きをもう1度描けたら

ミントグリーンの小さな身体にのような鮮やかな朱色のつぶらな瞳。

マスコットキャラというかお人形さんみたいで可愛すぎる。


その子はわたしが敵ではないと認知したのか、一歩、一歩とおそるおそる近づいてくる。


やがて、わたしの足元にやってきたドラゴンはふにゃっと笑いながら、頰をすり寄せた。


「ど、どうしましょう……!」


手を差し伸べてドラゴンの頭を撫でると、気持ちがいいのかもっともっとと言うように頭を垂らした。


なんだ、この可愛さは。

この世に存在していいものなのか。


「珍しいもんだな。ドラゴンは人間に懐かないんだよ」


男性は感心を示しながら、わたしと小さなドラゴンをまじまじと見つめる。


「懐かない……?」

「ドラゴンの性格が繊細だからあまり人に懐かないのがほとんどだ」


この子を見る限りだと、人懐っこいイメージしか湧かないが。

だって、頭を撫でたら気持ち良さそうに「クゥー」と喉を鳴らすもん。

< 19 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop