あの夢の続きをもう1度描けたら
──これって、俗にいう“あーん”っていうやつだよね?
恥ずかしい死にそうだけど、嫌じゃない。
大丈夫……ユラハとアランよりも健全だから!
ツッコミどころ満載で謎の言い訳を心の中で叫んで、わたしはこくんとゆっくり頷いた。
「……はい、どうぞ……」
“あーん”を言える勇気など、持ち合わせているわけがない。
わたしは箸で肉を取り、おそるおそるユキの口元に近づけた。
「……ん、やっぱ照れるな」
「そう、だね……」
ひぇぇ、気恥ずかしい……。
奇声を脳内再生して、思わず俯いてしまう。
「ユキ、頑張った……!」
「アラン。あんま大きな声出さない」
「なんだよー、オメエだってニヤけてたろ」
そんな夫婦(ではないけど)の会話など、真っ赤になってしまったわたしとユキには届かなかった。