あの夢の続きをもう1度描けたら
「クゥー?」
「ニゲラ、なんでもないよ……!?」
りんごをずっと食べていたニゲラはわたし達の様子が変だと思い、心配そうに見つめていたのはまた別のお話。
***
「あー! 美味しかった! お腹いっぱいだぜ!」
肉も野菜もサーモンも全部食べきったわたし達。
あんなにたくさんあったから、全部食べきれたことに感動を覚える。
焚き火の炎もいつの間にか消えていて、あんなに明るかったのが一気に暗くなった。
──なんか寂しいな。
静けさも感じて、祭りの後の静けさとはこのことだと漠然と思う。
「ありがとう。ユキ、ヒナノちゃん」
「オメエらのおかげでいい記念日だった!」
「3年目もどうかよろしくね」
ユラハとアランが手を繋いで、わたし達にお礼を告げた。
わたしとユキは「こちらこそ」と笑った。
──そうだ。思いついた。
わたしは頭の中で宵闇を漂うたくさんの蛍を描く。