あの夢の続きをもう1度描けたら
今のわたしはトラオムやユキに振り回されている。
それでも構わなかった。
それでもユキ達に会いたかった。
結局その日もトラオムに行って、わたしはまた睡眠不足の度合いを深めていったのだ。
「雛乃、大丈夫?」
「お兄ちゃん……うん、大丈夫!」
翌朝、学校に出かける前にお兄ちゃんに心配されてしまった。
相変わらず優しいお兄ちゃんが大好きだ。
それだけで元気が出たわたしは足取り軽く登校した。
「雛乃。昨日忠告通りに寝た? クマがまだ酷いんだけど。どういうこと?」
「いや、寝たよ! でも1日じゃ流石に取れなかったや……でも元気だよ!」
「ならいいけど……じゃあ任せるわよ」
秋には文化祭がある。
図書委員会では古本屋を開くことになって、図書委員長の柚子はとても忙しいのだ。
わたしはそんな柚子を手伝っている。