あの夢の続きをもう1度描けたら
昨日もゆっくり休みなよといいながら休んでないので、それを素直に言ったら柚子が鬼の形相になるのはわかりきったことである。
しょぼくれた目を擦りながら、今日も授業に臨んだ。
まあ。結局寝ちゃったんだけどね。
***
柚子から任された仕事は当日の接客と本の値段を決めること。
確か、後輩の子と一緒に作業するって聞いたけど……。
放課後、指定の場所に集まると既に黒髪の背が高い男子が待っていた。
「柚子から頼まれた委員って、君かな?」
特に人見知りしないわたしは早速声をかけることにした。
男子は振り返ると、こくんと頷いた。
あ……この人……。
ずっと前、廊下で消しゴム拾ってくれた人。
「湯河友貴です。よろしくお願いします、高柳先輩。先輩の名前は柚子先輩から聞きました」
「そうなんだ……あ、雛乃でいいよ、湯河くん。高柳って呼ぶづらいでしょ?」
「……では、雛乃先輩。僕はよくトモって呼ばれています」
「じゃあトモくん」
「はい」