あの夢の続きをもう1度描けたら
「ほら、じゃあ乗ってけ」
彼はしゃがみ込んだ。
わたしをおんぶするつもりだろうか。
「いや、わたし重たいです! やめた方がいいです!」
「でも、動けねえんだろ? とりあえずシャワー浴びに戻ろうぜ」
「いやいや……さすがにそれは」
否定し続けるわたしに痺れを切らした彼は、いきなり立ち上がるかと思いきや、ヒョイとわたしの身体を持ち上げた。
「……っ!? ちょ、重いですよ!」
「全然軽いから。それに暴れたら怪我するから、大人しくした方がいいぞ」
「……っ」
わたしは何も言い返せなくなって、大人しく彼に身を任せた。
こ、これってお姫様抱っこというものでは……!?
人生初、というのもあり緊張してしまう。
わたしは黙ったまま彼の顔を見上げた。
とても綺麗な顔立ちをしているから、もし地球で生きてたら全ての女性を虜にできるに違いない。