あの夢の続きをもう1度描けたら
ユラハに関してはあんなに上がらせてもらってるのに、ご両親に会ったことがないというのもなんだか違和感だ。
ユラハの家に着いたら聞いてみよう。
「気になってたことがあって、ユラハとアランのご両親ってどこにいるの?」
そうしてユラハの家に上がり、わたしは椅子に腰掛けてユラハとアランに早速聞いてみた。
ユキはまだいないみたいだ。ユラハが答える。
「お母さんがいたけど、病気で亡くなっちゃったんだ」
「そうなんだ……ごめん、変なこと聞いちゃって」
「大丈夫だよ。だいぶ前の話だし。お父さんは知らないな。記憶にないんだ」
その後もアランから、お母さんとお姉さんがいたけど闇の魔法使いに殺されたということを聞いた。
「奴隷だったんだ。だけどユラハとユキが助けてくれた」
そして彼女が奴隷だったことを知った。
ふたりが助けたんだ。ふたりがいなかったら今頃アランは……。
想像するだけでおぞましくなる。
「ふたりがいなかったら、私は生きてなかったな。本当に感謝してる。特にユラハ! 住む場所もくれたし、愛も教えてくれたからな!」
口調はいつもどおり男っぽいのだが、ユラハを見つめる瞳がとても慈愛に満ちている。