あの夢の続きをもう1度描けたら
ユキ、早く来てくれないかな。
そう思ったところで、ニゲラがやってきた。
りんごを両手にいっぱい抱えて幸せそうな表情を浮かべている。
おつかいにでも行ったのだろうか。
「おかえりニゲラ。りんご買えてよかったね」
「クゥー!」
ニゲラは机にりんごをどさっと置いてから、そこから1個だけ取り出してもぐもぐと食べ始めた。
うん、今日も平和だ。
だけどユキがいない。
「ねえねえ、ユキは?」
ニゲラの買い物についていったわけでもなさそうだから、今日は来ないのかな。
「何も聞いてないな。何かわかればいいよね。残念だね、ユキに会えなくて」
「そうだね……ユラハも残念だよね」
「え? ユキが来ないのよくあるくらいしだし、ここのところ毎日来たことにびっくりしてるくらいだよ?」
ユラハは「特に残念に思わないかな……また会えるわけだし」と独り言を零す。