あの夢の続きをもう1度描けたら

ユキ、早く来てくれないかな。

そう思ったところで、ニゲラがやってきた。

りんごを両手にいっぱい抱えて幸せそうな表情を浮かべている。

おつかいにでも行ったのだろうか。


「おかえりニゲラ。りんご買えてよかったね」

「クゥー!」


ニゲラは机にりんごをどさっと置いてから、そこから1個だけ取り出してもぐもぐと食べ始めた。


うん、今日も平和だ。

だけどユキがいない。


「ねえねえ、ユキは?」


ニゲラの買い物についていったわけでもなさそうだから、今日は来ないのかな。


「何も聞いてないな。何かわかればいいよね。残念だね、ユキに会えなくて」

「そうだね……ユラハも残念だよね」

「え? ユキが来ないのよくあるくらいしだし、ここのところ毎日来たことにびっくりしてるくらいだよ?」


ユラハは「特に残念に思わないかな……また会えるわけだし」と独り言を零す。

< 223 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop